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アルツハイマー病の罹患を原因とする離婚請求
妻は、背骨が右側に湾曲し始め、話の内容がおかしくなったり妄想も起きてきた。
そのため、入院して検査したところ、アルツハイマー病とパーキンソン病に罹患(りかん)していると診断された。
その後、妻は自宅療養をし夫が世話をしていたが、症状がひどくなり、夫の実家近くの特別養護老人ホームに入所した。
妻は、アルツハイマー病に罹患しており、痴呆の程度は重度で回復の見込みはないと鑑定され、禁治産宣言を受け、夫が後見人になった。
夫は、再婚を考えるようになり、妻の後見監督人の弁護士に対して民法770条1項4号、5号に基づき離婚請求訴訟を提起した。
裁判所は、以下のように述べて、夫の離婚請求を認容した。
夫妻間の婚姻関係は、妻がアルツハイマー病に罹患し、長期間にわたり夫婦間の協力義務を全く果たせないでいるなどによって破綻していることが明らかであり、夫は妻が老人ホームに入所した後も1週間から2週間に1度の割合で妻を見舞い世話していること、夫は離婚後も妻への若干の経済的援助及び面会をすることを考えていること、夫と妻の離婚後は、妻が入所している特別養護老人ホームは全額公費負担となることとうをも併せて考慮すると、夫の民法770条1項5号に基づく離婚請求はこれを認容するのが相当であるとした。
(裁判上の離婚)
民法第770条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
1.配偶者に不貞な行為があったとき。
2.配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3.配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2 裁判所は、前項第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。
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