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生活保護受給の離婚の意思
夫は病気で倒れ収入の途が断たれたので、生活保護の申請をし、生活扶助等を受給していた。
夫は、福祉担当者から、妻が収入を得ているにもかかわらず、その届出をせず、また妻と別れたといっても離婚届を出していないと、不正受給になるから処罰される旨を告げられた。
そこで、夫と妻は、離婚届を出せば、今までの不正受給額の返済を免れ、引き続き従前と同額の生活保護金が支給されるものと思い、協議離婚の届出をした。
妻は、離婚届後も実質上は夫と夫婦であると思い、夫が死亡した後も、同人の債務を支払い、遺骨を引き取り、その法要も主宰した。
妻は、夫の死亡から約6年後に検察官を被告として、離婚無効確認の訴えを提起した。
@一審は妻の請求を棄却した。
A控訴審も妻の控訴を棄却した。
妻と亡夫とは、不正受給した生活保護金の返済を免れ、かつ引き続き従前と同額の生活保護金の支給を受ける方便とするため、法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいて本件届出をしたものであるから、右両者間に離婚意思があったというべきものであり、また右に認定した諸事情があるからといって、本件離婚が法律上の離婚の意思を欠くものとして無効であるということはできないとした。
B上告審も妻の上告を棄却した。
原審の適法に確定した事実関係のもとにおいて、本件離婚の届出が、法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいてされたものであって、本件離婚を無効とすることはできないとした原審の判断は、その説示に徴し、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はないとした。
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