最初にこちらのページにこられた方はトップページからどうぞ。
離婚無効確認訴訟中の面接交渉
夫と妻は、同棲し、夫が前妻との協議離婚した後、婚姻した。
長女と長男が生まれた。
妻は、子らを連れて両親の家へ転居し、夫と別居した。
夫は妻の下から未成年者らを連れ出し、保育園に入れ、その後、長女を養護施設に、長男を乳児院に入れた。
未成年者らの親権者を夫定めて協議離婚をしたが、その後妻から離婚無効確認請求が提起され、係属中である。
妻が申し立てた人身保護請求事件について、夫は妻に未成年者らを引き渡す旨の合意が成立し、妻の未成年らが引き渡され、未成年者らは妻と同居している。
夫は、妻に対して未成年者らの養育費を支払うことは拒否している。
夫は妻に対し、未成年者らと面接交渉を求める本件審判の申立をした。
裁判所は、以下のように述べて、夫の申立を却下した。
面接交渉権の性質は、子の監護義務を全うするために親に認められる権利である側面を有する一方、人格の円満な発達に不可欠な両親の愛育の享受を求める子の権利としての性質を有するものというべきである。
上記に述べた面接交渉権の性質に加えるに、未成年者らの年齢、夫の離婚歴や妻との別居・離婚に至った経過、夫及び妻の生活状況、現在夫と妻との間で離婚無効訴訟が係属中であることその他諸般の事情を考慮すると、今直ちに夫が未成年者らと面接交渉することを認めるのはやや時期尚早であり、籍すにしばらく時をもってし、未成年者らがあと数年成長後に夫を慕って面接交渉を望む時期を待たされることとするのが、未成年者らの福祉のため適当であると解される。
蛇足ながら、妻においても、夫と離婚無効訴訟の結末がどうなるかにせよ、未成年者らの父は夫のほかになく、かつ、その健全な成長のためには、夫の愛情も妻のそれに劣らず必要であることに思いをいたし、未成年者らの監護養育について関心を寄せる夫の心情も理解し、時に応じ未成年者らの発育状態について自発的に信書又は写真を夫に送付するなど、きめ細かい配慮をすることが望ましい。
夫がこれに応えて未成年者ら及び妻を励まし、適切な助言協力を惜しむべきでないことは言うまでもない。
慰謝料などの無料法律相談はこちらから
Amazonで慰謝料について調べる
|
|