最初にこちらのページにこられた方はトップページからどうぞ。
婚姻費用分担額の減額の申立
夫と妻は、別居状態にある。
夫が妻に対して婚姻費用分担金として、毎月15万円、毎年6月及び12月に30万円を加算して支払う等の契約を締結した。
妻は夫に対して、本件契約に基づき、未払い分及び将来分に係る婚姻費用の支払を求める訴訟を提起し、妻の請求を認容する判決が下され、確定した。
夫は、妻に対して、本件契約に基づく婚姻費用の分担額を月額4万円に減額する婚姻費用分担の調停の申立をした。
@原審判は、本件申立てを不適法として却下した。
A抗告審は、以下のように述べて、原審判を取消し、原審に差し戻した。
夫婦間において婚姻費用に関する協議が成立した場合には、権利者は義務者に対し、その協議に基づいて、通常裁判所の判決手続により、婚姻費用の支払を求めることができることはいうまでもないところである。
一方、当該協議が成立した後、事情に変更を生じたときは、民法880条の類推により、家庭裁判所は、各自の資力その他一切の事情を考慮し、事情に変更を生じた過去の時点に遡って従前の協議を変更して新たな婚姻費用の分担額を審判により決定することができ、通常裁判所に従前の協議に基づく婚姻費用の支払を求める訴訟が現に係属中であるからといって、そのことが障害事由になるものではないと解される。
そして、通常裁判所の判決が確定した後、家庭裁判所による新たな婚姻費用の分担額を定める審判が確定した場合には、義務者は、判決手続により命じられた従前の協議による分担額と審判による減額後の分担額との差額について強制執行の不許を求めるため請求の異議の訴えを提起することができると解するのが相当である。
(扶養に関する協議又は審判の変更又は取消し)
民法第880条 扶養をすべき者若しくは扶養を受けるべき者の順序又は扶養の程度若しくは方法について協議又は審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その協議又は審判の変更又は取消しをすることができる。
慰謝料などの無料法律相談はこちらから
Amazonで慰謝料について調べる
|
|