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外国に居住する父との面接交渉
妻と夫は、東ドイツで婚姻し、長女が生まれた。
妻は、夫が長女を連れて日本に帰国している間に、ドイツにおける裁判により離婚判決を受け、この判決において、長女の親権者は妻と定められた。
妻は、児童誘拐罪で夫をドイツの当局に告訴した。
夫は、浦和地方裁判所に離婚訴訟を提起し、これに対して妻も反訴を提起した。
この本訴反訴は、調停に付され浦和家庭裁判所に係属した。
夫は、ドイツに居住しているが、来日して、家庭裁判所で、長女との面接が実施され、その後夫が本件面接交渉審判の申立をした。
また、長女の親権者を妻と定めて離婚審判が下された。
裁判所は、次のように述べて、以下の審判を下した。
主文「妻は、夫に対し、長女の福祉に反しない限り、
1、夫が、長女と、直接的な面接交渉又は手紙、電話等の通信手段を介する等の間接的な面接交渉をすることを妨げてはならない。
2、長女と夫が面接交渉をするについて必要な援助をしなければならない。
3、長女が成人に達するまでの間、長女の意思に反しない限り、長女の学校の各学期の終了ごとに、長女の近況を示す写真を送付し、長女の成育状況や学校での成績を知らせるなどして、長女の成育状況を知らせなければならない。
具体的な面接の方法であるが、夫は、ドイツに在住であり、具体的な面接の回数や方法を定めるのは困難であること、長女の年齢に照らし、また、同女が自立心が強く、自らの意見を持ち、自らの決断に基づいて行動するに充分な能力のある少女であることから、もはや、妻がその意思で長女と夫を面接させたりすることのできる時期は過ぎていると認められるので、まず、妻に求められるのは、長女がその意思に基づいて夫と交流することを妨げないことであり、次に、長女と夫との交流が図れるように側面から援助することである。
そして、本件に現れた一切の事情を考慮し、当裁判所は、夫と長女の面接についての指針を主文において示すに止めることとした。
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