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無収入の養育費免除の申立
夫と妻は、長男、二男、三男の親権者をいずれも妻と定め協議離婚をした。
夫は、妻に対して、子らの養育料として、未払い分に加え、子らがそれぞれ満20歳に達する月まで1人当たり3万円を支払えとの審判が下された。
夫は、前件審判において、子らに対する援助はこれからも行なっていくが、妻に対する金銭の支払等はすべて拒否し、給料差し押さえ等の強制執行が行なわれる場合には、退職してでも抵抗する旨を記載した書面を提出した。
妻は、夫の給与について、前件審判に基づき、債権差押命令を申し立てて、給与から約17万8000円、賞与から約10万6000円、同年次月の給与から約12万8000円の支払を受けた。
夫は、勤務先を退職し、未成年者らについての養育料の支払い免除を求める調停申立をした。
裁判所は、以下のように述べて、夫の申立を却下した。
夫は、前件審判時から、強制執行を受けた場合には勤務先を退職して抵抗する旨の意向を有していたところ、現に強制執行を受け、裁判所により強制的に支払わされることに納得できなかったために、勤務先を退職したのであり、稼動能力は有していると認められる。
そもそも、未成年者らの実父である夫は、未成年者らを扶養し、未成年者らを監護する妻に対し養育料を支払うべき義務があるところ、前件審判において、養育料の支払を命ぜられたにもかかわらず、一度も任意に履行せず、強制執行を受けるやそれを免れるために勤務先を退職したのであるから、夫が現在収入を得ていないことを前提として養育料を免除するのは相当ではなく、夫が潜在的稼動能力を有していることを前提として、勤務を続けていればえべかりし収入に基づき、養育料を算定するのが相当である。
夫は勤務先を退職していなければ、少なくとも年額467万1931円の給与収入を得ていたと認められる。
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