カリフォルニア州の離婚後の妻への扶養料 |
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カリフォルニア州の離婚後の妻への扶養料 |
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日本人の妻と日本人の夫は、いずれも日本において医師免許を得た医師であるが、婚姻し、米国カリフォルニア州法によって離婚した。 妻と夫は、結婚生活の大半を米国カリフォルニア州で送っており、カリフォルニア州上級裁判所によって、夫に対して清算的財産分与を命じる内容の判決が出され、離婚後の扶養料支払を命ずる内容の判決が出された。 @妻は、夫から夫婦共有財産の財産分与の一部として、夫が金融機関に設定したIRA口座内の金員についてその38.95%、すなわち41万0923米国ドルを与えられる。 A夫は妻に対し、同人の生活費として5年間、毎月1万米ドルを、毎月1日に半額、15日に半額の支払条件で支払え。 妻は、日本と米国を行き来していたが、帰国し、以後日本において医師をしている。 夫も日本に帰国し、医院を開業している。 妻は、夫に対して、財産分与判決の執行不能を夫の債務不履行として、損害賠償として約11万3000ドルの支払と扶養料判決に基づき強制執行の許可を求める本件訴訟を提起した。
@一審は、以下のように述べて、扶養料判決の承認は公序良俗に反しないとして、妻の請求すべてを認容した。 外国判決の承認の要件として内容面での公序良俗の有無は、事件の渉外性を考慮した上での内国の基本的価値や秩序を害するかという国際私法的公序であるところ、わが国でも夫婦の離婚にあたって、財産分与の一環として扶養的要素も考慮されるものであって、補充性の要件に有無について相違があるとしても、それのみで本件扶養料判決が公序良俗に反することはなく、本件での具体的な事情のもとで、本件扶養料判決が過酷な結果をもたらすものであるかどうかを検討すべきである。 A控訴審は、以下のように述べて原判決を取消し、妻の請求をすべて棄却した。 共に日本国籍を有する夫婦の離婚に伴う権利関係が、離婚後の元夫婦の常居所地である外国の裁判所でその常居所地の法律に基づいて判決され、当該外国法からみてその判決内容に問題がない場合でも、当事者の常居所が判決の前提とする土地からわが国に変り、当該判決の内容がわが国の法律の定める内容と大きく隔たるものであるときは、当該外国判決の内容どおりとしても障害が生じないという特別の事情があるのでない限り、その判決の内容は、わが国の公序に反するものと解するの相当である。 本件扶養料判決は、他の離婚給付に照らした元配偶者の生活維持の必要性を要件とせずに、すでに離婚した者に相手方の扶養を命じている。 これは、カリフォルニア州家族法には、「当事者の婚姻の解消又は法定別居を命ずる全ての判決において、裁判所は、一方の当事者に他の当事者の扶養のためになにかしかの金額を、また、裁判所が正当かつ相当であると考え得る期間支払うよう命ずることができる」との規定が存するからである。 しかし、その内容は、わが国の法律と内容と大きく隔たるものである。 そして本件の場合は、夫、妻とも米国での生活は、扶養料判決後の帰国によって、行なわれなくなったのである。 妻の米国での医学修行の必要性も消滅している。 この面で扶養料判決のそれ自体の内容上の妥当性は、その前提が存在しないことによって、すでに失われているというべきである。 夫は、外国裁判所に対する不信感から、本件扶養料判決の取消しを外国裁判所に申し立てていない。 しかし、そのような申立を外国でするには、一般に、多額の費用もと時間を要することを考慮すると、そのような外国裁判所に対する申立がなくても、その判決についてわが国において執行を許可するかどうかを検討するに当たり、受訴裁判所がその内容的な妥当性を審査することが許されるものというべきである。 そうすると、共に日本国籍を有する夫婦の離婚についてされた本件扶養料判決は、当事者の常居所が判決の前提とする土地からわが国に変り、当該判決の内容がわが国の法律の定める内容と大きく隔たっていること及び当該外国判決自体の前提とする事実関係が判決後に消滅していて、その内容自体の妥当性も失われていること、以上のいずれの観点からも、これをそのまま執行させることは、わが国の公序に反するものといわねばならない。 外国判決は、その成立に至る手続や内容にわが国の公序に反するものがあるときには、そのわが国における執行を許可することはできないのであって、妻の執行許可の請求は、理由がなく、これを認容することができないものである。 なお、財産分与判決の執行不能の事実もないとして、執行不能を理由とする損害賠償請求も理由がないと判示した。 慰謝料などの無料法律相談はこちらから Amazonで慰謝料について調べる |
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