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養育費の私立高校入学費用の支払い
妻と夫は、婚姻し、双子の長女、二女と三女、四女が生まれた。
妻と夫は、4人の子の親権者をいずれも夫と定めて協議離婚した。
離婚後、4人の子は夫が監護養育していたが、本件未成年者は妻と暮らしたいとの気持ちから妻方に移り住み、妻がその監護養育に当たっている。
本件未成年者の養育費として、未成年者が中学生の間は月3万円、高校入学から高校卒業まで月4万円、高校入学に要した費用の内金として25万円の支払を求める調停申立をし本件審判に移行した。
裁判所は、以下のように述べて、本件未成年者の私立高校の入学費用のうち4万8013円と、高校卒業時まで月4万円等の支払を認めた。
父母が離婚している場合に、親権者である母が未成年者に高等学校、あるいは大学等義務教育を超える教育を受けさせることを、費用負担者である父親に相談することなく一方的に決め、その費用を父親に請求することは当然には認められず、ただ、父親の資力、社会的地位等からみて、父親において未成年者のため義務教育を超える教育費を負担することが相当と認められる場合においてのみ、親権者である母はその費用を父親に対し請求しえるというべきである。
これを本件についてみるに、未成年者が私立高校に進学するにつき夫の同意を得ていなかったとはいえ、未成年者が公立高校に進学することは夫においてもこれを認めていたのであるから、夫は未成年者の高等学校入学に要した費用の1部を負担する義務があるというべきである。
そして、その負担額は、長女、二女ともに公立高等学校を卒業していること、前記認定の夫の収入からみて、未成年者を私立高校に進学させることは、夫にとってかなりの負担となること、妻は、夫が当初から未成年者を私立高校ではなく公立高校に進学させることを強く主張していたにもかかわらず、夫の意向を無視して私立高校に進学させたこと等を考慮すると、夫に対し、未成年者が公立高校に進学しておれば支出したであろう入学費用の額を基準にし、これを前記認定の妻と夫の各可処分所得割合によって算定した額を負担させるのが相当である。
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