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宿泊つきの面接交渉の可否
妻と夫は、婚姻し、長男、長女が生まれた。
妻と夫は、子らの親権者を夫と定めて協議離婚をした。
協議離婚に際して、夫は、妻に対して、子らと面接交渉をすることを認めており、1ヶ月に1回、夫が妻の実家に子らを連れてきて、同所で子らを妻に引渡し、1泊した後、翌日の夕食後に、夫が迎えにくるという方法で面接交渉が行なわれていた。
夫は、面接交渉を拒否するようになった。
妻は、面接交渉の調停申立をなし、調停は不成立となり、本件審判に移行した。
妻と夫は、主に宿泊つきの面接交渉を認めるか否か等で意見が対立していた。
なお、原審判後、夫は他の女性と再婚し、女性は子らと養子縁組した。
@原審は、月1回の面接交渉とそのうち年2回は宿泊つき面接交渉等を認める審判を下した。
A抗告審は、以下のように述べて、原審判を変更し、夫及び女性は下記の面接要領記載の内容で面接交渉させる義務があるとした。
なお、女性が子らと養子縁組したことにより、家事審判法12条により、職権で女性を利害関係人として審判に参加させた。
離婚後約10ヶ月間は、宿泊つきで面接交渉が実施されていたことは、上記のとおりであるが、現在においては、これまでとは事情が異なる。
すなわち、現在は、夫及び女性は、その共同親権の下で子らとの新しい家族関係を確立する途上にあるから、生活感覚やしつけの違いから、子らの心情や精神的安定に悪影響を及ぼす事態はできるだけ回避しなければならず、宿泊つきの面接交渉は、そのような危惧が否定できないというべきであるから、現段階においては避けるのが相当である。
土曜日には、子らを妻に引き渡す適切な者が見当たらず、また、従前の経緯からすれば、夫方で女性から妻に子らを引き渡す方法も相当でないという物理的な理由も考慮しなければならない。
今後、日帰りによる面接交渉が円滑に実施され、子らに新しい生活習慣が身に付き、上記の恐れが払拭された時点で、改めて、宿泊つきの面接交渉の実施の可否が検討されるべきである。
面接要領
1、面接回数、日時
(1)回数 平成18年2月から、毎月1回
(2)日時 第4日曜日の午前11時から同日午後4時の間(時間厳守)
2、子らの引渡し方法
夫及び女性は、上記面接開始時に、京都府****所在の**駐車場において、妻に子らを引き渡し、妻は、上記面接終了時に、同所において、子らを夫及び女性に引き渡す。
3、未成年者らに対するプレゼント
夫及び女性は、妻が、子らと面接交渉するに際し、誕生日、クリスマス、正月のプレゼントを渡すことを認めなければならない。
この場合におけるプレゼントの価格は、子らの年齢等に照らし、社会通念上相当な限度に留めるものとする。
4、面接日等の変更
当事者は、その協議により、面接実施の日時、子らの引渡し場所、面接の方法など必要な事項を変更することができる。
5、学校行事等への参加
妻は、子らに関する保育園や学校の行事に参加してはならない。
夫及び女性は、子ら上記行事に参加した場合において、その状況を撮影したビデオ、写真等があるときは、適宜、妻に提供するものとする。
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