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放課後の自習中の事故の損害賠償
太郎君は小学5年生で、担任の田中先生の許可を受けて、クラスの生徒10人と、放課後も教室に残って自習することになりました。
太郎君は勉強にも飽きて、紙飛行機を作り、その先端に重みをつけるため、画鋲をつけて飛ばして遊び始めました。
そのうち、全員が遊び始め、太郎君が飛ばした紙飛行機が五郎君の左目に命中してしまい、五郎君は左目を失明してしまいました。
五郎君の両親は、この事故は担任の田中先生が教室におらず、勝手に生徒たちに教室を使用させたことから起きたといい、田中先生の監督義務違反だとして、五郎君の両親は、太郎君の両親と市を相手取って、1800万円の損害賠償訴訟を起こしました。
一審の裁判所は、太郎君の両親に対しては、親として子供に対する一般的な監督義務を怠っていたことを認めて、損害賠償責任を認めましたが、担任の田中先生に対しては、小学校高学年ともなると、一応学校生活にも適応し、相当の自立能力、判断力もあるから、危険の発生を予測できる特別の事情がない限り、担任の先生は、放課後の学習までつきっきりで監督する義務はない、として棄却し、太郎君の両親だけに325万円の支払を命じました。
五郎君の両親が、この一審判決を不服として控訴しましたが、太郎君の両親に対して1200万円の損害賠償を認める判決をしましたが、田中先生には監督義務違反はないとし、市に対する訴えは棄却しました。
教師には一般的な監督責任があるとしても、事故発生の危険性の予見が不可能な突発事故に対してまで、教師の監督義務は及ばないと解されます。
放課後の学習のための教室使用を許した田中先生に、太郎君が画鋲つきの紙飛行機を飛ばすことは、予見不可能であることは明らかです、
また、同じような判決して、中学生徒の課外クラブ活動中の、生徒同士の喧嘩から失明した事故について、クラブ顧問の先生が立ち会わなかったとしても、このような喧嘩は予見できなかったとして、監督義務を否定しています。
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