最初にこちらのページにこられた方はトップページからどうぞ。
交通事故の女児の逸失利益
山田さんの10歳の娘は、通学路で飲酒運転の暴走トラックに、青信号を渡っているところを、同じ10歳の男の子と一緒に轢かれて死亡しました。
その後、山田さんのところに加害者が加入している任意保険会社の担当者が来て、一切の示談交渉を任されていると述べ、加害者側が一方的に悪いとした上で、娘の逸失利益、慰謝料など総額1700万円の損害を支払うと言いました。
しかし、一緒に亡くなった10歳の男の子には、2100万円を支払うのだと言い、担当者の話では、逸失利益において、男児は男子労働者の返金賃金を基礎とするの対し、女児は女子労働者の平均賃金によるからだと言うのです。
まだ働いてもいない子供の将来得るであろう賃金を男女差別するのは納得行かず、裁判に訴えました。
判例は、交通事故で、当時11歳の娘を失った父親が、加害者らに総額4000万円の損害賠償を求めた事件で、裁判所は逸失利益の算定基準に男女別の平均賃金を使う従来の方法を不合理な差別と認め、男女とも年少者の逸失利益の算定には男女合わせた全労働者の平均賃金を使う方が妥当としました。
この事件では、第一審が女性の社会進出など社会情勢の変化を初めて明記した上で、現在ある男女間の賃金格差をそのまま基準にするのは適当ではないと指摘し、男女労働者の平均賃金で算定して、女性の平均賃金によるより約400万円高い総額約2130万円の支払を加害者側に命じています。
控訴審でも第一審同様、男女全労働者の平均賃金を基準に逸失利益を算定し、同様の支払を加害者に命じました。
慰謝料などの無料法律相談はこちらから
Amazonで慰謝料について調べる
|
|