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債権者の担保喪失の連帯保証人の責任
山田さんは、銀行から2000万円の融資を受け、所有の漁船3隻を譲渡担保とし、また、田中さんに連帯保証人になってもらいました。
山田さんは2年前に亡くなり、連帯保証人になったことも忘れていたときに、銀行から田中さん宛てに内容証明郵便が届き、残額の300万円を支払って欲しいと言ってきたのです。
調べてみると、銀行に譲渡担保に差し入れた3隻の漁船は、所有名義が金融機関に移転手続きがとられていなかったこと、3隻の漁船はすでに事故で沈没し保険が掛けられていなかったことなどが判明しました。
田中さんは、今頃になって請求してきたこと、譲渡担保になって3隻の漁船の登録変更の手続きがされず、保険にも入っていないことなど、納得がいきませんでした。
返事をしないでいると、銀行から訴訟を提起されました。
判決は、連帯保証人が将来債務者に代わって支払をした場合には、保証人は、債権者が債務者に対して持っている請求権、担保物に対する権利を行使することができるから、債権者の怠慢で担保が喪失したり減少したりしたときには、保証人が債務者に対し満足な権利請求ができないのだから、その限度で責任を免れるとしました。
(債権者による担保の喪失等)
民法第504条 第500条の規定により代位をすることができる者がある場合において、債権者が故意又は過失によってその担保を喪失し、又は減少させたときは、その代位をすることができる者は、その喪失又は減少によって償還を受けることができなくなった限度において、その責任を免れる。
3隻の漁船の価値が、貸付残高の300万円を上回ると判断されて、田中さんの保証責任を訴えた原告の請求は棄却されました。
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