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就業規則の変更による賃金引下げ
賃金、退職金など労働者にとって重要な権利、労働条件に関して実質的な不利益を及ぼす就業規則の作成又は変更については、その条項が、そのような不利益を労働者に法的に受忍させることができるだけ高度の必要性に基づいた合理的な内容のものである場合において、その効力を生じるとされます。
合理性の有無は具体的には、次のことを総合考慮して判断されます。
@就業規則の変更によって労働者が被る不利益の程度がどの程度のものであるか
A使用者側の変更の必要性の内容・程度
B変更後の就業規則の内容自体が相当といえるか
C労働者に加えられる不利益に代わる措置その他関連する他の労働条件の改善状況がどうなっているのか
D労働組合との交渉がある場合には、労働組合等との交渉の経緯や他の労働組合又は他の従業員の対応
E同種事項に関する社会における一般的状況等
賃金の減額幅が極めて大幅であったこと、制度の変更による職務の軽減がなかったこと、代償措置の内容が十分でなかったこと、変更後の賃金が格別高いとはいえないこと、制度の変更が定年延長に伴ってなされたのではなく、むしろ高年層の労働条件を定年後在職制度ないし嘱託制度に切り下げるものであったこと、経過措置が十分でなかったこと、などの事情があれば引き下げられた賃金の差額を請求できるとされます。
一部労働者に対し大幅な賃金カットを定めた就業規則の変更は、その不利益を受忍させる高度の必要性に基づいた合理的な理由は認められないとし、その変更を無効とした事例があります。
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