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死の恐怖の慰謝料請求
山田さんと田中さんは、会社の仕事で、ヘリコプターから撮影する必要が生じ、航空機の貸切運航を専門とする航空機会社とヘリコプターのチャーター契約を結び、2人がヘリコプターに乗り込むことになりました。
しかし、運転手が未熟のため、墜落してしまったのです。
幸いに、2人は重症を負ったのですが、生命はなんとかとりとめることができました。
この事故の原因が、パイロットのミスによるものであることは明らかですし、治療費の額や休業補償の額については示談できたのですが、墜落した際の「死の恐怖」に対する精神的損害について、各人500万円の支払を求めたのですが、航空機会社は応じませんでした。
航空機会社は、通常の交通事故並みに入院や後遺症についての慰謝料を払うのだから、恐怖の代償はそれでまかなわれるとして、訴訟となりました。
精神的損害の範囲は、特に限定されておらず、例えば、名誉を毀損された場合や、いわれのない侮辱を受けた場合、思い出のある写真をなくされた場合等、いずれも慰謝料請求権が発生します。
ただし、精神的苦痛とはいっても、個人的ないし主観的なものは、その全てが慰謝料の対象となるものではなく、例えば、異常に猫を可愛がっている人がいて、その人にとってその猫には実の子以上の愛着があったのに、それが車にひかれて死んでしまったような場合、その人が慰謝料として、実の子供がなくなったときの相場を要求したとしても、認められません。
本件の「死の恐怖」は、認められること自体は問題はないのですが、その金額については、2人についてはその恐怖が500万円であったかもしれませんが、通常は、そこまでは評価されず、また、パイロットが故意ではなく、過失であったので、判決では50万円とされました。
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