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不動産会社が合鍵でアパートに侵入
アパートの一室を借りている不動産会社の従業員が、合鍵を使って、勝手に部屋に侵入しているところを隣人が目撃し教えてくれ、その後、隣人と共に警察に通報して逮捕されました。
被害はないのですが、勝手に入られて気持ちが悪く、不動産会社に慰謝料を請求したいのですが?
逮捕された犯人については、住居不法侵入が成立します。
その犯人を雇っていた不動産会社についても、民事上損害賠償が義務があります。
民法715条1項は、従業員が事業の執行につき、第三者に損害を与えたときには、使用者も原則として責任を負うものとし、これを使用者責任といいます。
(使用者等の責任)
民法第715条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
3 前2項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。
本件の場合、従業員が会社で保管していたアパートの合鍵を使って侵入した行為が、事業の執行につき行なわれたものかどうかが問題となります。
判例は、従業員の職務行為そのものには属しないが、その行為の外形から見て、職務の範囲の属すると認められる場合には使用者にも責任があるとしています。
本件の場合においても、犯人がアパートの部屋の合鍵を会社内から持ち出し、これを利用して侵入した行為は、従業員の職務行為ではありませんが、これを密接な関連を有するもので、外形上アパートの管理のために鍵を開けて部屋に入るという不動産会社の仕事と同じように見られることから、不動産会社には責任があるということになります。
使用者の方で従業員の選任及びその仕事の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害を生じたはずであるときは使用者に責任はないとされます。
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