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公正証書の捨て印
山田さんは、田中さんから、100万円の借金の連帯保証人になるように頼まれ、毎月1万円の返済であったので、了解したのですが、債権者から公正証書を作るため、実印と印鑑証明を提出するように言われました。
不審に思い、公正証書の委任状を確認すると、強制執行らしい文言も書かれておらず、その委任状に印鑑を押して、さらに捨て印まで押して渡しました。
山田さんは、日常の書類で捨て印を度々押していたので、何の疑いも持たず、押したのです。
しかし、債権者は、最初から山田さんの捨て印を利用し、強制執行文言を記載するつもりだったのです。
公正証書や登記書類は、文字を直したり加除した場合には、その欄外に「何字訂正」「何時削除」と記載し、その上に捺印を使った印を押すことになっています。
訂正印がないと、公証人や登記所では、その書類を絶対に受け付けません。
改めて本人に訂正印をもらうしかないのです。
そんな不都合を避けるため、あらかじめ委任状や契約書の欄外に、一つ余分に印をおしてもらっておき、後から訂正加除の必要が生じた場合に、その印のところに「何行目何字訂正」「何字削除」などと書き込んで、そのまま訂正印として使います。
本件の場合、捨て印を押した委任状の文言に、「万一、月々の支払を1回でも怠った場合は、直ちに強制執行を受けても異議ありません。」と後から書き込まれていたのです。
その後、田中さんの返済が滞り、強制執行されると、月々1万円の支払が山田さんに請求されるのではなく、いきなり100万円の差押がされるのです。
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