アメリカ人の夫から離婚と子の引渡し




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アメリカ人の夫から離婚と子の引渡し

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アメリカ人の夫から離婚と子の引渡し

妻は、日本でアメリカ人の夫と婚姻し、アメリカに渡ったのですが、夫の暴力がひどく3歳の長男を連れて日本に帰ってきました。

夫は、ユタ州の裁判所で、妻に対して子供を引き渡すことを求める訴訟を起こし、アメリカの夫の弁護士から日本の弁護士に依頼し、日本の弁護士から妻に呼出状が送られてきました。

妻はアメリカに行って裁判に出頭すべきか、もしくは、アメリカの裁判所で夫に有利な判決が出た場合日本で効力があるのでしょうか。

アメリカでの判決が確定しても、日本の裁判所で執行判決を得なければ、日本で強制執行はできません。

執行判決とは、外国の裁判所による確定判決に効力を認め、それに基づいて強制執行を行うことを許す旨の判決をいいます。



そのためには、次の条件が必要になります。

@法の適用に関する通則法又は条約でその外国の裁判所に裁判権があること。

A敗訴した被告が、適法な呼び出しの送達を受けたこと。

不適法な送達の場合は、被告が応訴したこと。

B判決の内容が、日本の公序良俗に反していないこと。

Cその外国でも同じような日本の判決が認められること。

なお、不適法な管轄や送達の場合は、応訴すると管轄が認められ、送達の欠格について異議を唱えられなくなります。

送達とは、裁判に関する連絡のことをいい、アメリカの裁判所の場合、呼び出しなどの送達は、日本の当局に嘱託する形で行なわれ、嘱託を受けた日本の裁判所から呼出状が送達されてきます。

本件の場合、アメリカの裁判所に出頭しないと、夫に有利な欠席裁判がでるかもしれません。

しかし、それは適法な呼び出しに基づくものではないので、日本の裁判所はその判決による強制執行を認めないと予想されます。

また、応訴して負けたとしても、アメリカの裁判所の幼児引渡しの判決について、日本の裁判所が公序良俗の点から執行判決を認めないことも予想されます。

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