重大な疾病と離婚原因




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重大な疾病と離婚原因

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重大な疾病と離婚原因

最判昭和45・11・24民集24巻12号1943頁

<事実>

X男とA女は、昭和29年12月に結婚式を挙げて同棲を開始した。

Aは、結婚当初から、必要もないのに濡れ雑巾で玄関の壁を拭いたり、釘の入った灰を田圃へ撒いたり、火のついた消し炭や練炭火鉢の灰をゴミ箱へ捨てて家人や近所の人を騒がせたりするようなことを平然と行なうなど、日常生活において多少異常の行動があり、人嫌いで近所の人とも付き合わず、Xが経営している新聞販売店の従業員とも打ち解けず、店の仕事に無関心で全く協力しなかった。

昭和33年春にAは精神分裂病で入院して現在に至っている。

この間昭和39年1月にはAは禁治産宣告を受け、Aの父Yがその後見人に指定されている。

原審は、Aの病状は強度の精神病で回復の見込みがないとして、Xからの離婚請求を認容したので、Yは上告して、Aが心神喪失の常況にあるとして禁治産宣告を受けていることが直ちに離婚原因である回復の見込みのない強度の精神病であるとはいえないと主張した。

<争点>「回復の見込みがない強度の精神病」の程度



<判旨>上告棄却

「Aのかかっている精神病はその性質上強度の精神病というべく、一時よりかなり軽快しているとはいえ、果たして完全に回復するかどうか、また回復するとしてもその時期はいつになるかは予測しがたいばかりか、かりに近い将来一応退院できるとしても、通常の社会人として復帰し、一家の主婦としての任務にたえられる程度にまで回復できる見込みは極めて乏しいものと認めざるを得ないから、Aは現在なお民法770条1項4号にいわゆる強度の精神病にかかり、回復の見込がないものにあたる」。

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