民法772条の推定が及ばない子
最判昭和44・5・29民集23巻6号1064頁
<事実>
Xらの母Aは、昭和21年Bと婚姻したが、24年4月頃Bと事実上の離婚をして別居し、26年10月2日正式に離婚した。
Aは25年9月頃から39年3月頃までYと肉体関係を持続し、27年3月28日X1を、31年1月31日X2を出産し、非嫡出子として届け出た。
XらがYに認知を求めた。
1・2審ともに、Xらの請求を認めた。
Yが上告し、XらはA・Bの婚姻解消後300日以内に出生しているので、Bが嫡出否認の訴えを提起する以外にBX間の父子関係は否定できないと主張した。 |
<争点>民法772条2項の嫡出推定期間に生まれた子については、夫が子の出生を知った日から1年以内に嫡出否認の訴えを起こさないかぎり、真実の父を法律上の父とすることはできないのか。
<判旨>上告棄却
「Xは母AとBとの婚姻解消の日から300日以内に出生した子であるけれども、AとBとの夫婦関係は、右離婚届出に先立ち約2年半以前から事実上の離婚をして以来夫婦の実態は失われ、単に離婚の届出が遅れていたにとどまるというのであるから、Xは実質的には民法772条の推定を受けない嫡出子というべく、XはBからの嫡出否認を待つまでもなく、Yに対し認知の請求ができる」。 |
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